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こんにちはー。野田貴子です。今月も海外のRailsブログで面白いものを意訳して紹介していきます。
2016年にあたり、Railsの製作者David Heinemeier Hansson(DHH)氏に対して行われたインタビュー記事がありましたので紹介します。年々ウェブが進化・複雑化する中での、Railsの立ち位置などについて語っています。
さて、以下が上記の意訳文章+所感です。以下の文章を読まれるうえで、「enjoyable for small teams」と「The beautiful monolith」の二つのキーワードを頭においてから読まれると、より深く理解できると思います。

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Q. 2013年夏にRails 4.0がリリースされてから多くの出来事がありましたが、特にNodeコミュニティにおいて顕著でしたね。過去と比べると、現在のRailsはどういったことに適しているのでしょうか。
A. Ruby on Railsは、今も変わらず同じ目標に目を向けています。それは、BasecampやGithub、Shopify、Kickstarter、Airbnb、Zendeskのようなアプリケーションを作成できる、フルスタックなフレームワークであり続けることです。もちろんプログラミング技術は現状に留まり続けることは決してありませんし、Node、Elixir、Go、Rustなど他の技術がどんどん登場していますが、それは素晴らしいことです。登場する技術が多いほど活気づきますね。ウェブは驚くべきプラットフォームです。なぜかというと、HTMLやJavaScript、CSSの生成においては、これら全ての技術が同じ土俵に立てるからです。みなさんのウェブサーバーが動かしているのがRubyなのか、GoやNodeなのかといったことは、ウェブを見る人は気にしません。しかしながら、Railsの本格的な対抗馬はまだ何も出てきていない、というのが私の意見です。
Q. ビューの開発において、TurbolinksとAPIモードのアプローチはそれぞれ異なっていますよね。あなたやBasecampチームは今後も両者を利用していく予定でしょうか。クライアントサイドにおける個人的な立場はどうですか。過去数年間どのように使ってきましたか。
A. Turbolinksの勢いはどんどん増しています。最初は物珍しかっただけかもしれませんが、今ではきちんと評価された上でみなさんに利用されています。Turbolinks 5をゼロから書き直し、ネイティブiOSとAndroidラッパーを統合したことで、さらに評価されるようになりました。これはとても大きな飛躍でしたね。巨大なネイティブ対策チームを作らずとも、Basecamp 3ではすばらしいネイティブクライアントを乗せることができました。この方法をみなさんにシェアできたことや、これで多くの方が、主にUIにおいてですが、ネイティブ対策を施したシステムをRailsで作れるようになることに、とても興奮しています。
また、APIモードのおかげで、クライアントサイドMVCを使いこなす人に対するRailsのアピール力も高まりました。HTMLビュー生成を行わないActive Record、Action Pack、Action Mailer、Active Job、Action Cableなどを改善しない理由はありません。Railsアプリのうち、APIオンリーアプリはフルスタックアプリと同じくらい存在していますから。
Q. 「The Rails Way」は2016年に何を意味するでしょうか。
A. 実は今、Railsでの開発方針をまとめた「The Rails Doctrine」というミニブックを新しく作成しているのですが(訳注:2016年1月に公開されました)、端的に言えばRailsのミッションは、小さなチームが大きなプロジェクトをこなせるようにすることです。500人もいる企業の効率を少しだけ上げるためではありません。そういう側面もあるかもしれませんが。Railsの義務は、1人2人といった少数のプログラマーが、ウェブ、メール、モバイル、ネイティブ、APIなど、2016年においてカバーすべき全てのプラットフォームを網羅したすばらしいアプリを製作できるようにすることです。ウェブで何かをリリースすることは、日々複雑になってきています。物事が難しくなると、それを細分化することで儲けられるタイプのベンダーや販売者が多数いますが、Railsはその反対立場にいます。専門家集の力を借りずとも、ウェブの何かを作ることがシンプルであり続けられるようにしていきたいです。

この後にもインタビューは続き、現在興味のある技術として「関数型言語」についても語っています。気になる方はぜひ原文や、インタビュー中に言及された「The Rails Doctrine」もチェックしてみてくださいね。
※インタビュー原文:
http://thepracticaldev.com/dhh-on-the-future-of-rails